やはり、ロックのル−ツはブル−スだと言い切っても過言ではないでしょう。 特にアメリカンロックバンドの数多くの根源を辿っていくと、ミシシッピ−はデルタ地帯より派生し、やがてはその川を遡ってシカゴへと辿り着いたブル−スの歴史を感ぜずにはいられません。 アル・ク−パ−、マイケル・ブル−ムフィ−ルド、ジョニ−・ウィンタ−、ポ−ル・バタ−フィ−ルドそしてオ−ルマンブラザ−スバンドやウェット・ウィリ−の面々たち。 彼らが生み出した伝統は、現在もなお脈々と息づきながら新世代のバンド達へと受け継がれているのです。 ここでは、そんな彼らのレアなブル−スアルバムにスポットを当ててみます。
 

ディス・イズ / ティム・ハ−ディン
レフト・コ−スト・ライヴ / ウェット・ウィリ−
ザ・リバ− / テリ−・リ−ド
ニュ−ヨ−ク・テンダベリ− / ロ−ラ・ニ−ロ
イ−ト・ア・ピ−チ / オ−ルマン・ブラザ−ス・バンド
L・A・ゲッタウェイ / L・A・ゲッタウェイ  
ア・ロングタイム・カミング / エレクトリック・フラッグ
プロジェクション / ブル−ス・プロジェクト
オン・ザ・ロ−ド・アゲイン / キャンド・ヒ−ト
イ−スト・ウェスト / ポ−ル・バタ−フィ−ルド・ブル−スバンド
スウィ−ト・ポテトス / ジェフ&マリア・マルダ− 

 ディス・イズ / ティム・ハ−ディン

ティム・ハ−ディンと言えば、後期の名作アルバム電線の鳥がもっとも有名なのですが、このジャ−ジ−で洗練された都会的な作品からすると、一寸意外な感があるほど素朴なブル−ス・シンガ−だった時代が彼の本来の姿だと思います。 ブル−スとはこうあるべきだと語りかけるような、心に直接訴えかける悲痛な叫び。 一度でも耳にすると忘れられない素朴で簡素な旋律。 そして、惜しげもなく失われた日々。 ここには、あの当時のアメリカと贅肉を殺ぎ落とした本来のブル−スの姿があります。 その、混迷に向って突き進んでいた64年から67年までのティム・ハ−ディンこそ、もっとも彼らしく輝いていた時代なのでした。 ですからこそ、私たちは、ウィリ−・ディクソンの名曲フ−チ−・ク−チ−マンやトラディショナルの朝日の当たる家、それに、同世代のフレッド・ニ−ル作ブル−ス・オン・ザ・シ−リン等に涙してしまうのでしょう。 彼が頭角を表し始めた1964年頃は、もともと1960年代初頭からのフォ−ク・ソングにしても、それ以前のブル−スにしても、恒に虐げられた民衆の側に立ち、権力をプロテストするというコンセプトこそが支持されていた時代なのですから。 歌とはそういう道具でもあったのです。 ましてや、ボストンやニュ−ヨ−クのグリニッジ・ヴィレッジというラディカルな街で揉まれ続けていれば、当然ながらそういった気質も備わった筈でしょう。 そういった意味で、彼こそフォ−クという外套を纏いながら、もっともブル−スらしいブル−スのシンガ−であったのかもしれません。 1980年、惜しまれながら静かに他界していた彼の若き日の滾るような姿がこのアルバムに納められています。

 レフト・コ−スト・ライヴ / ウェット・ウィリ−

ウェット・ウィリ−の真髄は、多くのブル−スバンドがそうであるように、何といってもライヴに尽きると思います。 飛び散る汗と魂の響き、そして、臨場感。 そこには、私たちが根源的に求め続けている音楽の本質があるからです。 ブル−スはやはりライヴですよね。 とりわけ彼らの場合は、粋でファンキ−な感性と南部のバンドにしては珍しいくらいのセンスの良さが群を抜いていて、絶妙なブル−スを披露してくれているのですから。 もう、飛びっきりの心地よさと滾るような高揚感を約束してくれます。 ただ、彼らの場合、並み居る南部のお兄さん達とは少しばかり違った雰囲気を持っていました。 そう、ウェット・ウィリ−が他のブル−ス・バンドと一線を画しているのは、粘りがあって腰の強いリズム・セクションと、白人のバンドにしては珍しいくらいソウルフルなハ−ト、そして、時にゴスペルにも通じるような感性なのです。 特にジミ−・ホ−ルのヴォ−カルとブル−ス・ハ−プは絶品ですね。 彼の存在が、ウェット・ウィリ−にファンキ−な奥行きを持たせているといっても過言ではないでしょう。 俊逸な彼のヴォ−カルに絶妙なリズム・セクションが絡まるのですからもう溜まりません。 ブギ−のリフにしても何処か大人びている。 兄貴分のオ−ルマン・ブラザ−ス・バンドと較べると、どうしても後塵を拝していますが、個人的には1番好きな南部のブル−ス・バンドですね。 という訳で、このレフト・コ−スト・ライヴと題されたライヴ・アルバムは、彼らの最高傑作と言っても差し支えないでしょう。 選曲もベストなものになっているし、何といっても演奏に脂が乗り切っています。 ここでは、ジャンプ・ブル−スからバラ−ドまで溜息の出るようなパフォ−マンスが展開されているのです。 特に、エヴリシング・ザット・チャ・ドゥや12分にも及ぶ大作ル−シ−・ワズ・イン・トラブル、名曲のキ−プ・オン・スマイリング、そして、CD化されるにあたって新たに加えられたリング・ユ−・アップ等は、涙無くして語れないものがあります。 騙されたと思って買っておくなまし、決して後悔はいたしませんからと、そんな花魁言葉まで飛び出して来そうな名作でしょう。

ザ・リヴァ− / テリ−・リ−ド

何処かで聴いたことのある切ない歌声が胸を掻き立てます。 およそ洗練という言葉からは懸け離れているいますが、その粗暴で骨太く泥臭い響きは何ともいえない魅力に溢れていました。 若い頃のポ−ル・ロジャ−スかな、それとも脂の乗ったスティ−ヴ・マリオット。 当たっているようだけれどもどこかが違う。 いずれにしても、プリティッシュ・ロック界きってのヴォ−カリストであることは、衆目の一致するところでありましょう。 生まれながらのブル−ス・シンガ−である彼を、ジミ−・ペイジがニュ−・ヤ−ドバ−ズとしてデビュ−させようとしていたレッド・ツェッペリンや、黄金期のディ−プ・パ−プルが欲しがったという理由も解かるような気がします。 そのテリ−・リ−ドの最高傑作と呼ばれているのが、アメリカへ渡って制作したこのリバ−というアルバムです。 ジャケットも実にア−シ−で落ち着いた色合いといい、南部でありながら故郷イギリスをそれとなく暗示させている感性といい、まさに素晴らしいの一言。 音の方も実に渋い。 渋すぎる。 かの地の鬱蒼とした空気をアメリカ南部に吹き込んだ情感は、ブル−スらしからぬ見事な世界を見せてくれています。 その、ねっとりとした独特なブル−スの世界は秀逸でありましょう。 圧巻は何といっても表題作リヴァ−。 ボサノヴァ・タッチの軽快なリズムにブル−スの旋律が乗り、アコギやボンゴ等シンプルな楽器が絡み合う歌は極上のひと時を与えてくれます。 ヴァ−ボンでも飲みながら、独りで静かに耳を傾けると、胸をキュンと締め付けますなあ。       







[PR]話題の新車を無料プレゼント中:必ず当る抽選会!今すぐ応募で簡単GET