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ジャケットが語る1970年代の素晴らしい名盤たち

   

あのLPレコ−ドのジャケットの広さというのは、実に見事なまでに芸術的な煌めきを凝縮できる空間であったのではないでしょうか。 ですから、あの時代には音楽と表裏一体となったジャケットの思想が尊重され、そのバンドのコンセプトをも表現する魅力的なものだったのです。 また、ジャケットがいいものは音楽もいいというのが通例でありました。 例えばピンクフロイドにヒプノシス、イエスにはロジャ−ディ−ンといった、まるで専属のようなデザイナ−がジャケットを手がけて、彼らの思想を芸術的に形成したのです。 このペ−ジでは、そういった素晴らしいジャケットと共に音楽の不思議な旅をしてみたいと思います



 1・オン・ザ・ショア− /  トゥリ−ズ

清楚な空気に包まれたシュ−ルな情景と不思議な情念を感じてしまう素晴らしいジャケットのこのアルバムは、マニアの間では今だに延髄もののトゥリ−ズのオン・ザ・ショア−という2枚目の作品でした。 このデザインは独特の雰囲気からして絶対にキ−フのものかなと思っていたら何とヒプノシスの作品だったのです。 そして、数あるヒプノシスの作品の中でもファンの中では1,2を争うジャケットであることは随分と後になってから知りました。 更にこのアルバムは、21世紀になった今もCD化はされておらず正に宝物のような幻の逸品なのです。 レコ−ドも当然ながら廃盤になっており、再発された僅かな枚数も直ぐに消え去ってしまった名盤中の名盤。 私は偶然にも中古レコ−ド掘り出し市で見つけてしまい狂喜乱舞した記憶があります。 CBSソニ−から出た日本盤の発売枚数はとても僅かだったので、もし今から探したい方がおられましたら、アメリカもしくはイギリス買い付け盤の中( 大きな中古レコ−ド屋さんなら不定期的に買い付けてある筈 )から探すのがベタ−だと思います。 もしかしたら輸入盤でCD化されている可能性もあるので諦めないで探してみる価値はあります。 見つけたら即買いです。 買い逃すと100年間は後悔すると思いますよ。 それほど、音もジャケットも素晴らしいんです。 トゥリ−ズはブリティシュ・トラッドの範疇に入れられていたバンドなのですが、確かにスティ−ライ・スパンなどに共通する部分も感じられるにせよ、何といってもアコ−スティックな香りを漂わせた超一流のプログレッシヴロックでありました。 魂を触発するような旋律と重く圧し掛かる空気に包まれて、不思議な世界へと誘われてしまいます。 その透明感溢れる静やかな音の空間や心洗われるような荘厳な響きは決して誰にも真似の出来ないものでした。 もしかしたら、帰って来れなくなってしまうのではないだろうかと思うくらい危険な煌めきもあって、まさにシュ−ルレアリズムの結晶といっても過言ではないでしょう。 華麗なる1970年代の幕開けはこのアルバムと共に始まったような錯覚さえ覚えてしまう名盤ですね、やっぱり。  PS-どうやら輸入盤が手に入るようです。 よかった、よかった、お陰でレコ−ドの減り具合が気にならなくて済みそうです。 またまた PS-何と日本盤も出ていました驚きです。 今日偶然レコ−ド店で発見しました。 発売元はソニ−・ミュ−ジック・エンタ−ティメントです。 しかし、オリジナルジャケットより色が極端に薄いのが難点です、何故なのでしょう。 でも、そんな贅沢は言ってられないソニ−・ミュ−ジック・エンタ−ティメントさん有難うございます。  

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2・ アス /  バッドフィンガ−  3・ マジッククリスチャンズ・ミュ−ジック /  バッドフィンガ−

シュ−ルレアリズムの巨匠ルネ・マグリッドを髣髴とさせるバッドフィンガ−の一連のアルバムです。 音については私が申すまでも無く素晴らしいの一言、程よいポップロックと玄人の心をも擽ってくれる旋律と、そして情感豊かなメロディ−ラインだったと思います。 十数年前の狂熱的なブ−ムもアップルの英断によるCDの再発で何とか治まってしまったのですが、LPアルバムで品質の良いものは今でも高額で取引されているようです。 ビ−トルズの秘蔵っ子として華麗にデビュ−して、その爽やかな歌声とビ−トルズをも凌駕するような素晴らしい旋律で一世を風靡しましたね。  
バッドフィンガ−に関する詳しい解説はこちらへ


 4  5 

4・ ロッタ−スクラブ /  ハットフィ−ルド&ノ−ス  5・  /  ハットフィ−ルド&ノ−ス 

英国のカンタベリ−シ−ンからはソフトマシ−ン、ケヴィン・エア−ズ、キャラバン、ゴング、ギルガメッシュ、マッチングモウル等の優れたミュ−ジシャンと共に優れたデザインのアルバムが数多く輩出されました。 創造性豊かな土地柄で非常に芸術志向の強い街だったのではないでしょうか。 1970年代の特異な音楽の流れを形作った数々のミュ−ジシャンは、今でもその偉大な作品と共に絶大なファンに支持され続けています。 そんなカンタベリ−シ−ンの中でも飛びぬけていたのがこのハットフィ−ルド&ノ−スだったのではないかと思います。 霞のかかったような世界に爽やかな歌声と軽快な旋律が融合して、まるで夢のようで詩情豊かな世界を垣間見せてくれました。  ハットフィ−ルド&ノ−スに関する詳しい解説はこちらへ 


 6  7  8 

 9  10   11 

6・ピンクフロイド  7・クォ−タ−マス  8・UFO  9・リチャ−ド・ライト  10・プリティシングス  11・レッド・ツェッペリン 

ヒプノシス・ワ−クス
について語ろうとすれば一冊の本が出来上がりそうです。 彼らの鮮やかで触発されるようなな色彩がインスピレ−ションとアルバムの音に対する期待を駆り立ててくれました。 事実、ヒプノシスについての本も出版されているのです。 この優れたデザイナ−集団は1960年代の後半から1983年に至るまで数百枚の優れたジャケットを届けてくれたのですが、彼らほどミュ−ジシャンの思惑とそのアルバムの音楽や本質を的確にビジュアル化できるア−ティストも少なかったのではないでしょうか。 聴き手はその音を聴く前からジャケットを見る事によりその音に出会ってしまえるのです。 それがヒプノシスの魅力でしょう。 非常にシュ−ルであり透き通るような美しい作品群は音楽のみならず部屋のインテリアにもなったほどです。 また、瞬間を切り取ったような作風もヒプノシスが多分最初に用いたテクニックでした。 ストップモ−ションの美学といったようなものが感じられました。 そして、いつまでも残像が残るような不思議な感覚も持ち合わせていたと思います。 何度も言うように絵の中からア−ティストの音が聴こえてくるのですね。 もともとはア−トスク−ルの学生達が、ピンクフロイドとの関わりからこの道に入ったのですが、ピンクフロイドのみならず彼らの名声を聞きつけたミュ−ジシャンから数多くの依頼が来るようになります。 1970年代の初頭のことでした。 その音楽の質は勿論の事、いかにアルバムの視覚的なイメ−ジが重要視された時代だったかが伺えるというものですね。 逆もまた真なりという言葉がありますが、ヒプノシスだってミュ−ジシャンを選んでいたに違いありません。 何故かというと彼らが手がけたミュ−ジシャンは何れも、シ−ンを飾ったア−ティストであり、時代を築いたミュ−ジシャンであり、クリエイティブな芸術家だったからです。 ブリティッシュロックの歴史をを形成した数多くの有能なロッカ−たちが求めていたものを、ヒプノシスはア−トという形で創造したのです。 彼らの作品を堪能するにはやはりLPサイズが一番ですね。 中古レコ−ド屋さんを丹念に回って行くと、驚くほどの兼価で彼らの作品に出会えると思いますよ。 

 12  13  14

 15  16

12・グリ−ン・スレイド  13・イエス-ドラマ  14・バジャ− 15・イエス-危機 16・ユ−ライアヒ−プ

さて、ヒプノシスに匹敵するような作品の質と量を残しているのがロジャ−・ディ−ンですね。 彼独特の繊細なタッチと幻想的なコンセプトは、むしろヒプノシスよりも先に一世を風靡したといっても良いでしょう。 ヒプノシスがピンクフロイドで名を馳せたようにロジャ−・ディ−ンを一躍有名にしたのはイエスとの仕事だったと思います。 彼らの計算され尽くした綿密なプログレッシヴロックには、ロジャ−・ディ−ンの創作した超現実的な異次元の風景がよく似合っていました。 当時はイエスにとってイメ−ジ戦略上欠かせないほどの存在であり、6番目のメンバ−と呼んでも良かったのかもしれません。 しかし、イエスの場合は究極とト−マトでヒプノシスの作品も使っているんですよね。 その辺が節操がないというか何か面白いと思いますが、確か最強の布陣からメンバ−チェンジした事がその辺りの理由ではなかったのでしょうか。 ロジャ−・ディ−ンの作風はSF小説やSF映画の一場面を想定したような不思議なリアルさがあります。 また、魔術的な空気が漂っているのも彼の特徴。 たった一個のイラストからその物語の奥まで読み取れそうな、イマジネ−ション溢れる世界というのはロジャ−・ディ−ンだけの独自な物なのですね。 また彼は日本の水墨画にも非常に造詣の深い人で、そう聞いてからロジャ−の絵を見ると確かに彼の繊細なタッチは日本画に通じるものがあります。 多分めんそう筆を使っているのではないでしょうか。 また、イエスやグリ−ンスレイドでは関連性のあるコンセプトで作品と作品をつないでいたと思います。 昨今では殆ど話題にも上がらず寂しい気もいたしますが、イエスとの永い関係はまだ続いているようです。

     

    

アルバムジャケットのデザインで直ぐに思い浮かぶのはジャズの素晴らしいジャケット達。 ロックがその必要性に目覚める遥か以前から、ジャズのア−ティスト達はアルバムジャケットと音の相関性に着目していました。 彼らの優れたインスビレ−ションは自らの音楽の芸術性をアルバムジャケットが表現してくれる事を知っていたのです。 また、どんなデザインでアルバムを飾るかということが彼らのセンスを見て取れる手段の1つでもありました。 いくら音が良くてもジャケットがダサかったらその魅力も半減するというもの。 優れたジャズメン達はそんなことにも気を使っていたのです。 また、ジャズの場合その時代の流行というものをジャケットに凝縮していました。 例えばマイルス・デイヴィスを取り上げてみてもラウンド・アバウト・ミッドナイトの頃とカインド・オブ・ブル−の頃、そしてイン・ア・サイレント・ウェイの頃とでは明らかにコンセプトが違っておりました。 恒にあらゆる方向に敏感であること、それが一流のジャズメンの証でもあったのですね。 ジャズのジャケットに対する大きな認識の変化が現れるのは1950年代以降ではないでしょうか。 特にその中でも1950年代前後のデザインと1970年代は表現力、芸術性、美的感覚に優れておりまして、アルバム自体がCDに取って代わられるまでその黄金時代が続いていました。 CDのあの狭い空間ではとても全てを表す事は難しく、当然ながらアルバムジャケットのデザインが重要視されなくなってしまったのです。 まことに残念な事ですね。 

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キ−フの作品は美的感性に包まれた芸術的な趣があり、また英国独自な思想を見事に写実化した気品に溢れていました。 ただ、美しくしいとか神秘的とかいうだけでは決してなく、その奥に潜んでいる観念を具象化しているのです。 ですから、彼のジャケットを見ているだけで、まるで私たちはシュ−ルリアリスティックやファンタジ−の世界を覗いているような錯覚に陥ります。 そして、それは時として物語を語っていくような不安感を募らせる効果もありました。 私たちが、キ−フのデザインに時として戦慄を憶えてしまうのは、そういった人間の根源的な本能を見透かしているからなのでしょう。 また、ファンタジ−という言葉が一番似合っているのもキ−フのデザインだったのではないでしょうか。 インフラレッド・フォトと呼ばれる特殊な方法により創造された色彩感覚は、1970年代の奇跡と呼んでも差し支えないのかもしれません。 夢の世界の彼方に私たちは現実の世界を投影させているのです。 ヒブノシスやロジャ−・ディ−ンに較べるとア−ト・ワ−クの数では遠く及ばないものの、ことインパクトということになるとキ−フが一番際立っていた思うのは私だけではない筈です。 幻のグル−プ、トントン・マク−トやアフニティ−の唯1枚だけリリ−スされた名作アルバムは、その美しいジャケットデザインも含めて21世紀の今でもファン延髄の1枚となって居ます。

以下まもなく更新予定

    



  



    



    














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