バッドフィンガ−という素敵なバンドを憶えていますか。
                                                                                   

バッドフィンガ−  悪い指だなんて、何といけない響きなんでしょう。 しかし、響きと意味はどうであれ1970年代にマニアックなまでに人気を集めたバンドの名前なんです。 ビ−トルズの秘蔵っ子としてアップルレコ−ドからデビュ−した彼ら、最初の頃こそアイドル系バントとして位置付けられていましたが、どうして、どうしてその才能たるや特筆すべきものがありました。 透明感のある音に哀愁を帯びた歌声、時にはビ−トルズを彷彿させるメロディ−ライン、アコ−スティックとハ−ドな音の絶妙なバランス。どれをとっても超一流なポップバンドでした。それは、ポ−ルマッカ−トニ−の正当な継承者とも言えるピ−ト・ハムの才能によるところが大きかったと言えますね。マイフェイバリットアルバルは3枚目のストレイトアップと、アップルレコ−ドを離れた後のウイッシュ・ユ−ア−・ヒア−です。そういえば、1980年代後半の異常なバッドフィンガ−ブ−ムというのがありまして、いや-兎に角あの時は凄まじかった。アップルレコ−ド時代にリリ−スされた4枚のアルバムが廃盤になってしまっていて、中々手に入らないというよりも、不可能に近い時期がありまして、もともと、日本でも当時ほとんど売れてなかったので発売された枚数自体が極端に少なかったこと、また先ほども触れたようにアッブルレコ−ドの裁判沙汰のあおりをくって再発売が絶望的であった事、そして、一部のマニアックな人達の人気を博していたため ( 彼らは決してバッドフィンガ−のレコ−ドを手放すような事はしない )中古レコ−ド屋にも出回ることが皆無であったことなどから異常な事態となってしまっのです。たまに中古レコ−ド屋に出てもストレイトアップ等は10万円を越える値がついていたり、様々なリシュ−盤が出回っていたり、果ては、ブ−トレッグ専門店の通信販売の超目玉商品の座に永く君臨し続けたりと、まだ、バブルが始まる前の日本のおいて、その魁となる現象であったかもしれないのです。それも、これもバッドフィンガ−の才能をやっと世間が認めてくれた結果だったといえますね。しかし、それはバッドフィンガ−のリ−ダ−であったピ−トハムが自殺をするという不幸な結末を迎えてから、かなりの月日が経過した後のことでした。何と運の悪い、せめてもう一寸がんぱっていればと思わずにはいられません。特に、私の一番好きな6枚目のアルバムであるウイッシュ・ユ−ア−・ヒア−の発売直後であっただけに驚きとその無念さはひとしおでありました。ウイッシュ・ユ−ア−・ヒア−と名づけられたこのアルバムはプロデュ−サ−にかのクリスト−マスを迎え順風万反の勢いで作り上げられたと思っていました。また、其れを裏付けるような傑出した作品が目白押しで、ここに来てバッドフィンガ−はまたひとつ抜けてしまったなと、ひょっとするとビ−トルズもいけなかったところまでいけるかもしれないぞと期待せずにはおれないほどの作品であったからです。バッドフィンガ−フリ−クを自称する私としては何で自殺なのと、こちらがダウンしちゃいそうな沈うつな日々でありました。聞くところによりますと、マネ−ジャ−がお金を使い込んだのが原因らしく、ここらあたりなんとも切なくやりきれないほどついてない人だったんですね。

先ほどの
ウイッシュ・ユ−ア−・ヒア−と双璧をなすのが、一時はマニア延髄の的であったストレイトアップです。こちらも、1曲目のテイクイットオ−ルから、デイアフタ−デイベイビ−ブル−などにいたるまでバッドフィンガ−の名を世に轟かせた名曲の数々を網羅しておりました。とくに、当時日本でも大ヒットしたデイアフタ−デイは印象的なギタ−のイントロで始まり、バッドフィンガ−得意の爽やかなミディアムテンポバラ−ドで、そのフワッとした曲調とは対照的な力強いヴォ−カルとハ−モニ−にぞくぞくした憶えがあります。また、ベイビ−ブル−もそのビ−トルズの伝統を引き継いだようなポップでスケ−ルの大きな展開に、このバンドひょっとしたら凄いことになっちゃうんじゃないだろうかという期待を抱かずにはおれませんでした。
ようやくここにきて
バッドフィンガ−らしさをようやく確立できたアルバムであったとも言えるでしょうね。プロデュ−サ−が1・2曲をジョ−ジハリスン、他の曲をトッドラングレンという何とも豪華な顔合わせで話題となりました。 但し彼らはトッドのプロデュ−スに関してはかなりの不満を持っていたといいます。 しかしながら、2枚目のノ−ダイス辺りまでは、名曲はかなりあったものの、ただアルバムに並べてあるといった感が強かったのですが、ストレイトアップになってくると、静と動のバランスが絶妙に考えられて、全体の構成もバッドフィンガ−ト−ンとでもいえそうな1つの透明感のあるメロディ−ラインで覆われていたし、完成度としてもかなり高いものがありました。このアルバムにして初めてバッドフィンガ−の目指すべきものが確立できたのではないでしょうか。返す返すもここのまま作品を作り続けていてくれたならばと考えるのは私だけではないはずです。幸いなことにアップルレコ−ドからの突然の再発が決まり、幻でしかなかった彼らのアルバムが安い値段で全種手にはいるようになりました。もし、このペ−ジを読まれて興味を持たれた人がいらっしゃったらレコ−ド屋さんへ足を運んで見て下さい。きっと素晴らしい出会いがあることを保証いたします。

幻のHEAD FIRSTついに発売



1999年11月、20世紀の終了もあと僅かに迫ったこの初冬、ついに幻のアルバム
HEADFIRSTが発売されました。実を言いますと数週間前よりネット上の輸入盤販売のペ−ジにこのアルバムの発売予告が出されており、来るものが来たのかとその解禁日を心待ちにしていたので、今日輸入盤屋さんで見つけ即購入してきた次第なのです。このHEADFIRST、今までマニアの間ではその存在が知られていたものの、ピ−トハムの自殺によってお蔵入りとなって早や20数年の時が過ぎ去ってしまっていただけに、待望のリリ−スと感慨深げに喜んでいる人も多いはずですよ。 もちろん私もそのうちの一人に数えられますが、私の尊敬するバッドフィンガ−フリ−クとして名高い、元ロッキング・オンのM氏もさぞやお喜びであろうと推察いたします。実はこのHEADFIRST、ライノからリリ−スされたベスト・オブ・バッドフィンガ−ボリュ−ム2の中に4曲ほどこのHEADFIRSTからの曲が含まれていたのですが、アルバムそのものの全体像は見えず終いだったので、私達古くからのファンにはまさに涙と延髄のリリ−スと言えるでしょうね。よくやってくれました。 感謝 感謝。さてアルバム自体に目を移しますと今回の発売ではオリジナル1枚分とデモ・トラックやボ−ナス・トラックの納められた1枚分の2枚組仕様となっています。1枚目の方はウイッシュ・ユ−ア−・ヒア−の流れをくむ完成度の高い傑作に仕上がっていて、相変わらず哀愁を帯びたバッドフィンガ−ト−ンは健在でありまして、今までどうして発売されなかったのか不思議でなりません。 おそらくは契約の問題か何かが障害になっていたのでしょう。それとも、もしかしたら最初から2枚組のアルバムの予定であって2枚目に納められている10曲が未完成のまま残されていたとも考えられます。 そういえばバッドフィンガ−は2枚組のアルバム作ってませんでしたよね。完成度のかなり高かったウイッシュ・ユ−ア−・ヒア−の後だけにこの線も十分頷けるというものです。この文章を書き込んでいる11月12日現在ではまだ日本盤が発売されていないので、ライナ−および資料を読むことができず何ともいえないのですが、やがて其の謎が解明されることでしょう。
さあ、こうなって来ますと私達バッドフィンガ−フリ−クにあと残されているのは、あの幻の超名曲 
ストライク・ホウィ−ル・ザ・ファイヤ−・イズ・ホットのリリ−スだけとなってしまいました。 嵐の恋、ヘイビ−ブル−、デイ・アフタ−・ディに匹敵するほどの名曲なのでアップルさん宜しくたのんまっせ。

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バッドフィンガ−のオリジナルアルバム紹介

 1 ・ マジック・クリスチャンズ・ミュ−ジック  ★★★

まだアイヴィ−ズの香りの残る新鮮さが何とも初々しい、バッドフィンガ−としてのデビュ−アルバムです。 全体的にアルバムとしてのまとまりには欠けるものの、明日の風やメイビ−・トゥモロウ等の早くもピ−ト・ハムの才能を伺わせる佳曲が揃っています。 またこのアルバムでの出色の作品は、リンゴ・スタ−主演の映画の主題歌としてヒットしたマジック・クリスチャンでしょう。 作曲はもちろんご存知のポ−ル・マッカ−トニ−。 ビ−トルズの幻のお蔵入りアルバム、セッションズの中に納められていましたが、最近やっとビ−トルズ・アンソロジ−に収録されて陽の目を見る事がいわくつきの名曲です。 ルネ・マグリッド風のジャケットも当時としてはとてもかっこ良かったですよね。                                      
2 ・ ノ−ダイス  ★★★

何といっても日本でも大ヒットした名曲、嵐の恋と切ないバラ−ド、ウィズアウト・ユ−に止めを刺すでしょう。 ウィズアウト・ユ−はハリ−・ニルソンの歌で世界中で大ヒットしましたから、彼の歌のように思われがちですがれっきとしたバッドフィンガ−のピ−ト・ハムの傑作です。 それにしても、あの嵐の恋のイントロは何度聴いてもゾクゾクしてしまいますね。 このアルバムはストレ−ト・アップと並んでアップルからのCD化が決定するまでは、マニア延髄の的でありまして中古レコ−ドでも当時十数万という値がついていました。 アップルさん再発有難うの涙、涙の1枚です。 あの爽やかで独特なバッドフィンガ−ト−ンを確立させた大傑作ですね。

3 ・ ストレイトアップ  ★★★★★

鬼才トッド・ラングレンにプロデュ−スを託して、彼らの実力を世界に知らしめた大名盤です。
しかし彼ら自身はトッドのプロデュ−スに不満を持っていたとのことです。 アルバムのスタ−トは荘厳なピアノに導かれるテイク・イット・オ−ルで始まりますが、まるで夜明け前の闇を振り払うかのような爽やかさに満ちていました。 アルバム全体を通して透明感のある爽やかさに覆われていて、心洗われるような世界の構築に成功しています。それはビ−トルズの秘蔵っ子呼ばれていた彼ら自身のビ−トルズに対する決別と旅立ちだったのかもしれません。 ベィビ−ブル−やディ・アフタ−・ディ等の名曲も収録されており、バッドフィンガ−ファンならずともロックファンなら一度は聴いて欲しい名作ですね。
4 ・ アス     ★★

最高傑作ストレ−トアップをリリ−スしたにも関わらず、アップル自体のゴタゴタや様々な問題を抱えている時期に発表されたので、それを反映してかバッドフィンガ−らしくない重たい作品になっていました。 それまでのアルバムには必ず納められていた素晴らしいメロディ−ラインの作品も影を潜め、ジャケットとは裏腹に極めて地味な印象を持たれています。 流石のクリス・ト−マスのプロデュ−スもここまでが精一杯と言ったところでしょうか。 ピ−ト・ハムのお師匠さんであるポ−ル・マッカ−トニ−も時としてムラの多い作曲をすることがあるのでまさか真似た訳ではないのでしょうが、アップル在籍最後の作品だったので決めて欲しかったですね。
 
5 ・ バッドフィンガ−  ★★★
6 ・ ウイッシュ・ユ−・ア−・ヒァ−  ★★★★★





 

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